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【書評】セブン‐イレブンの正体

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「巨大でありながら、実際は何もしていない会社」という締めの言葉が印象的な、セブンイレブンの息ががかかった出版流通大手のトーハンで当初は取り扱いが拒否されたという、曰く付きの一冊。

巨大企業があるようでいて、店舗も配送網さえも、実は細かな企業の集合体に過ぎないのだが、集合体としての体裁を保つための締め付け方こそが、コンビニチェーンのノウハウであり、力の源泉なのだな。 フランチャイズオーナは生かさず殺さず、リスクを負わせつつ、チェーンから離れられないようにコンビニ本部は仕向けていく。

新婚旅行も、肉親の葬儀でさえも、約束された補助も受ける事ができずに業務が優先される世界だったとは。 昔、よく利用していたセブンイレブンの2F住居が火事になったんだが、あっという間に平屋の店として営業を再開していた。 げっそりと痩せて、目もうつろなままレジに立つ店長は、その火事で妻子を失っていたのだ。 彼もまた、そうした境遇で地獄を見た1人だったのか。

本部と顧客の狭間に立つ、その業務に携わる人の多くが不幸になる商売。 便利さの陰で苦しむ人々のしわ寄せは、順繰りに社会を回って我々自身にいつか戻ってくる。 金は天下の回りもの。 しかし、回ってくるのは金だけではないってことも承知しておかなきゃならない。 深夜や盆暮れ正月に買い物ができなくても良い、日曜日は休んじゃえ。 そんな時代は、のんびりした雰囲気も社会を回っていたんじゃないだろうか。

私達は何を次の世代に回していけるんだろうか。 機械のごとく人が使い捨てで扱われるような、ギスギスした社会は子供達の世に回したくないな。

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