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快適ティピで雨夜の宴会

ティピって知ってる? アメリカ先住民が使っていたテントのこと。

このティピに泊まらせてくれるキャンプ場に行ってきた。

正確に言うならキャンプ場じゃなくて、古き良きライダーハウス。 そこが車も受け入れてくれている、そんな独特の雰囲気を持つ場所なので、うっかり高規格キャンプ場とかに入れなかったからってココにくると面食らうだろうね。

だけど、ここならバイクで手ぶらで来ても、たぶん何とかなる。

一泊お一人様2,500円、ファミリーキャンパー向きじゃないが、大人がゆっくり酒を飲み語らう場としては秀逸だった。 ティピの中で焚き火をガンガン焚きながら飲む酒は、寒さに震えながら焚く外の焚き火とは全く違うくつろぎ空間。

それが、ここにある。

場所は表通りから山に入った集落のはずれ、周囲に民家やミカン畑のある一角で、気をつけていないと小さな看板を見落としてしまうような所にある。

目印としては、アスファルトの色と左側にある小さなTIPIと書いてある小さな看板。 ここを右に入った狭い砂利道が入り口。

近場には他にもキャンプ場があるようだけど、目的地はCycle:ya!だ。

ホームページの交通案内図を参考に、本当にこんな集落の中に?!なんて思いながら探していると見つかる。

入り口を入ると車の駐車スペースは3台分くらい。

元々がバイク用だからこんなもんさね。

 

到着したら、炊事場に貼ってある携帯番号に電話すると、商売っ気の無いレゲエなおじさんが出迎えてくれる。 そう言えば、ライダーハウスの管理人さんって、昔っから一風変わった人が多かったっけ(笑

細かい性格の人は気に入らないかもしれないが、オレはドンブリな雰囲気が大好きなので出だしは好感触。

ティピはその中で焚き火ができることが最大の特徴だけど、ここはティピの外にも焚き火スペースや椅子が用意してあって夏場なら外で焚き火も楽しめる。 それぞれのティピは生け垣で区切られているので、かなりプライベート感があって良い。

そういえば、たまに日本仕様ティピとか言うのを見かけるけど、中で焚き火ができないとか、そんなのティピじゃねぇだろ、オイ。 ただの円錐形テントで、ティピと言うのは詐欺としか思えないレベル。 ココは本物のティピなので、安心して楽しんで欲しい。

ティピの中で焚き火ができる理由は、生地が厚いことと天井が開いているので煙がこもらないことだ。 この開口部の大きさは2本の丸太で調整できるけど、天頂部を完全に閉じることはできない構造になっている。 だけど、開口部をある程度閉じてあげれば、雨でも全く平気だった。 閉じすぎると煙がこもってキツいけどね。

あらかじめ予約の電話を入れていたので、中には山盛りの薪と焚き付け用の新聞紙、団扇、ティッシュ、毛布4枚、座布団4枚、銀マットが用意してあった。 ティピは定員が4人。 これも全て料金に含まれている。 薪は追加もできるようだし、火付けのために乾いた竹や細かい薪、薄目の薪と、初心者でも焚けるように配慮がしてある。 もう至れり尽くせりで感動。

中には真ん中に囲炉裏のように石で囲まれた焚き火エリアがあり、そこを取り囲むようにベニヤ板の床が敷いてある。 ティピの生地との間にも壁のようにベニヤ板が丁寧に張ってあって、焚き火を焚いていると外からの空気がベニヤ板とティピの生地との隙間から天頂部に抜けていく。 この壁のお陰で、隙間風が体に当たらないので全く寒くない。

雨が降っても入り口から焚き火エリアまでの土の部分しか濡れないので、ベニヤ板のスペースは快適に過ごすことができるってわけ。 でも、雨の日は靴を脇に片付けないと、濡れて悲しい思いをするだろう。

中から天井を見上げると、そこには空。 東京の空は四角いけど、ティピの空は楕円形だ。 上の方の生地も丸太も、煙で燻されて真っ茶色。

少し煙の臭いがするけれど、それもワイルドなティピ生活の良いアクセントでしかない。 ただ、唯一気にくわなかったのは入り口。 茶室じゃ無いんだから、小さく屈まないと出入りができないのは大柄で腹に肉がたっぷりと付いている身にはチトつらい(笑

夜は入り口を閉じないと、焚き火の上昇気流に引っ張られて寒風が吹き込んでくる。 天頂部の開き具合と入り口の開閉、これを上手く調節することでティピはグンと快適になるんだね。

 

最初に書いたけど、このサイトは元々ライダーハウスなので、その設備もそれ独特な雰囲気がある。 かりそめの寮生活、という表現だろうか。 オレはこういうのが大好き。 バックパッカーの集まるドミトリーなんかも、こんな雰囲気があったなぁ。

まずは炊事場。 高規格キャンプ場に慣れた人には、亜空間に見えるんじゃないかな(笑

流しはボロいけれど、綺麗に洗った食器や菜箸、各種の調理道具が揃っている。 誰かが寄贈していったものだね。 俺たちが泊まるので、湯沸かしポットにお湯も沸かしてくれていた。

棚の上には油や各種の調味料、酒やコーヒーまである。 ざっと見たけど、賞味期限のヤバいものは取り除かれている模様。 割り箸やビニール袋も忘れた人には助かるわー。

流しの下には各種の鍋、フライパン。 ビックリしたのは電子レンジまであったこと。

食器もそうだけど、鍋やフライパンもちゃんと洗ってあるのは、全部ご主人がやっているのだろうか。 使ったら洗うのは基本だけど、やらない奴だってそれなりに居るだろうから大変だろうなぁ。

他にも、ちょっと錆びている焼網、綺麗に洗ってある鉄板も各種取り揃えております(笑

食材さえ持って到着すれば、後はなんとかなってしまうだけの備品があるのがスゴい。

 

次は大事なトイレ周り。

風呂は近所の温泉に行くとして、トイレは2つある。 片方は暖房便座の洋式。

座ると少しぐらつくが、機能はちゃんと果たしている。 ボロいなりにも掃除が行き届いていて綺麗。 お隣は和式。 鍵が壊れかけていて不安になるが、まぁ何とかなるだろう。

暗くなってきたら焚き火の時間だぜ! ヒーハー! ここでも愛用の手回し式送風機が大活躍。 ガンガン燃える、燃やす、燃やし尽くす!!

明るく見えるのは電気があるから。 ティピの中には二股ソケットに裸電球が一個ぶら下がっていて、もう片方はコンセントになっているので、携帯の充電だってできちゃう。

座布団があるから車座になって一杯やるのもアリだけど、今回はLowタイプの椅子を持って行って大正解。 肩を脱臼した怪我人が一緒だったので、座るのも楽で良かった。

バーベキューの食材も買い込んだけど、やっぱり酒だよ酒。 この雰囲気で酒が普段の3倍旨い。

干物をフライパンで炙ると、これまた旨し。 肉もフライパンでジュージューやっちゃう。 この焚き火料理だって、屋外じゃ無くてティピの中だ。 外は寒い冬の雨。 だけど中は快適空間。

いやぁ、ティピって面白いなぁ。 ここはかなり気に入った。

こういう雰囲気を楽しめるメンバーを厳選の上、ぜひ再訪したい。

ご主人、お世話になりました。

また来ますね。

 

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