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初代ポメラ逝く

バックライト無しの液晶、ただメモをするだけ、だけど起動が速くて快適、単機能なわりに高めの価格設定。

それがポメラ。

ブログのネタを書き貯めるために買ったんだけど、買ってみたらあらまビックリ。

手に納めた時の重厚感、ロック解除ボタンを押して、キーボードを開き、カチッと留めるまでの、しっかりとした動き。 大げさでは無く、所有すること、持ち歩くことが楽しく、嬉しくなるような正々堂々とした素晴らしい“文房具”だった。

 

スマホやノートPCがあっても、今でも細々と使っていたのだけど、急に電源が入らなくなって逝ってしまった。

 

そのまま捨ててしまっても良かったのだろうけど、「お前がこんなに魅力的だった理由を教えてくれ」とばかりに、未練がましく分解してみることにした。

 

分解する手順はまるで組木細工のような精巧さ。 細かなネジが全部で50本ほど使われ、金属部材も多用されている。

 

ぱっと持った時にひんやりとするパールホワイトの天板はもちろん、キーボード周辺の構造も徹底的に金属板で補強してあるから、多少不安定な置き方で使ってもキーボードが歪んで打ちにくいなんてことは無かった。

 

さらに、キーボードを二つ折りにするための仕組みも、開閉する時のレール、ヒンジも全て金属を使っているから、しっかりと歪み無くスムーズに動く。

 

液晶画面を支えるヒンジも金属製で、金属の天板と支え合ってしっかりとした開閉の手応えを感じさせる作り。

 

日本語変換も、あえて自社開発などせずに、日本が誇るATOKを採用した。 これだって相当に原価を押し上げていただろう。 でも、そこにはATOKでなければならない理由があった。 単機能だからこそ、その単機能に鋭く尖った使いやすさを追求したんだろう。

 

人の手に触れる、使う、そういう五感に訴えるところに金を惜しんでいない。

これが、中途半端な機能を、中途半端に作って、安く仕上げていた製品だったら、売れ行きは全く違っていただろう。

 

分解して改めてポメラの良さ、そこに込められた想いを感じたし、改めてキングジムは良い物作りをしているなあと深く感じ入った次第。

 

いやはや、日本の物作り此処に在り、ですなあ。

良い製品でした。

 

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