題名から抱くイメージとは違って、本書は「マネーロンダリングに絡んだ内容のノン・フィクション短編集」と評した方がしっくりくる。
実話だけに、スパイ小説のようなリアルさが面白い。
マネーロンダリングと呼ばれて犯罪扱いされるのは「汚れた金」を扱うからであって、「キレイな金」ならば合法となる。
経済は世界規模で密接に、複雑に絡み合い、単なる地理的な区切りである「国」に縛られること無く、よりお金の価値を高めるところに集まっていく。
それは多国籍企業等だけではなく、個人でもその流れに乗れるくらいに、経済のグローバル化が進み、その敷居が低くなってきているということを、改めて感じさせてくれる。