中間管理職が目前だとか成り立てほやほやとか、リーダーになったばっかりの人のような、若めの人に向いている本書。
半分はお金のもらい方やお金の流れについて事例をもとに種々のパターンを解説し、後の半分は著者が独立して事務所を構えるまでに経験した、経営者としての悩みや苦労を元に、飲み屋で先輩から「軽く考えていると火傷するぜ!」って感じで話を聞いているような内容になっている。
これを読んで独立できるとは到底思えないけど、著者が独立から安定期に至るまでに辿った心の足跡が軽い読み味でまとめられているので、自分の燃えさかる気持ちと、現状の環境にギャップを感じ始めた人が読むと得るものも多いだろう。
「自分のミッションを悟り、心が疼きはじめる時代」です。
~中略~
30歳くらいまでに真面目に目の前のことに真摯に取り組んでいると、どこからともなく降ってくるものです。
~中略~
それを授かると現状が合わなくなり、だんだん心が疼きはじめるものなのです。
単なる年齢なのか、立場のお陰なのか、本書に書いてある経営者視点の内容は、まぁそうだよね、と納得できるし実践しているものが多い。 独立はしたことが無いからわからないけど、お金のもらい方、人との接し方など、組織に対して責任を持つ立場に立ったからこそわかる感覚。
会社をちゃんと回していくためには何が必要で、何が不必要なのか、どこに腐心するのか。
若手であるうちに、こうした視点をしっかり持って仕事ができれば、本人にも会社にとっても、とても有意義なことだろう。
逆に言えば、今の自分が感じる課題感は、本当に本当に丁寧に説明しないと、部下には正しく伝わらないんだろうなぁと思うところでもあり。
羊のような組織人から、戦士としての組織人に変わらんとするタイミングで、自分の価値を見つめなおす意味で読んでみると面白い本だろうな。