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1998北海道ツーリング

ある暑い夏の日のこと、 衝動的に北海道ツーリングを計画したオレは、 それまで会社で取得したヤツはいないという怒涛の16連休を決行し、 北の大地へと向う決意を固めたのであった。

8月11日に札幌の知人のもとへ顔を出すということ以外は、何もプランが無い&何も予約もしていないという、 超無計画行き当たりばったりの旅。

言うなれば

とりあえず行ってみるか北海道1998ツーリング!

2週間に及ぶ旅の全貌がここに!

1998年8月1日(土)

夜のフェリーに合わせ18:00に家を出たが、直前まで荷造りをしてるという先の思いやられるスタートだった北海道ツーリング。

しかも、だ。

ゆりかもめ一般道路の初走行計画も、道に迷って晴海通り経由になるとは・・・。

本当に大丈夫なのか?!俺?

フェリーターミナルには、ん~いるいる、オン、オフ、スクータ。

 

「 おいおい、そんなちっちゃいバッグだけかい! 」

 

とか

 

「 おーふらついとるよ、うぉー崩れてきた! 」

 

まで、イロイロなバイクがいて、怪しい夜逃げ軍団的光景でありました。

まぁ、俺のも似たようなもんなんだろうけどさ。

50ccのスクータに荷物満載ってのはすごいよね・・・。

 

待機用の駐車場にバイクを停めると、とりあえずビーサンに履き替えてのんびりと積込みを待つ。

暇つぶしに仲間にメールを送りまくるが、電波状況悪し。

なんたることだ。

 

バイクは車の次の積込みで、2~3階層下がバイク用の甲板。

誘導に従って停車すると、係員が手慣れたてつきでバイクを固定してくれる。

 

終わったライダーから我先にエレベータで部屋に走っていくんだが、雑魚寝の部屋でも寝床は番号指定されているので慌てて行っても無駄に思える。

 

が。

しかし。

 

早く上がる目的は空いている一番風呂に入るためなのだ。

出航後に落ち着いてから風呂なんて考えてると、芋洗い状態の風呂が待っている。

これは教訓だ。

 

「不慣れな人は甲板に急ぎ、慣れた人は風呂に急ぐ」

次回の旅は忘れないようにしよう。

 

風呂の窓から離岸していく光景を眺め、その後はビール飲んで、ランドリーでジーンズ洗って寝床へ。

愛機カシオペア+WZエディタでこの日記を書いて、北の大地に思いを馳せる。

おやすみなさい。

 

1998/8/2(日)

雑魚寝の部屋のせいか、寝てる人が多いと遠慮してしまう。

お陰で何時になっても部屋の電気は暗いままだ。

それにつられて、自分もただひたすらに寝る。

そして一日中部屋の電気は消えたままだった・・・

大洗港では甲板に出て家に電話。

その後ロビーでTVを観ていたところ、隣に座っていた千葉の養護学校の教員夫妻と話が盛りあがる。

そして風呂に入ってまた寝る。

ただひたすら寝る。

日記をつけたら寝る。

とりあえず寝る。

脳味噌腐っちゃうくらい寝る。

そんなフルマラソン睡眠&うだうだタイムで一日が過ぎていく。

寝まくりなので腹も減らず、昼も15:00過ぎくらいにビールを呑みながら食べる程度。

そんなウダウダしてるなら旅のプランでも立ててればいいもんだが。

「とりあえず襟裳岬でしょ!」

ってアバウトっぷりで、プランもへったくれも無い。

21:00に盛岡沖を通過。

奥さんに電話を入れるも留守電だったが、ちゃんとその後に現況報告。

勝手ばかりをして悪いなぁと反省しつつも、ウキウキ気分なオレがいた。

 

1998/8/3(月)

到着を控えた何か慌しい眠れない夜をすごし、5:00過ぎに苫小牧に上陸。

とりあえず襟裳岬に向かうが雨で断念。

日高経由の帯広へとルート変更するが、途中の日勝峠で濃霧に襲われる。

とにかく天候は不順で、先が思いやられる。

濃霧や雨にもめげずに、昼前に何とか帯広到着。

そして、ここ帯広の名物は豚丼。

豚肉を網焼きして、ウナギのタレのような甘塩っぱいタレを絡めてご飯にのせた丼だ。

昼に帯広ならば、食べるしかあるまい。

 

だが、ここでもオレの旅路は一筋縄ではいかない。

 

目的地だった有名店、ぱんちょうは定休日だと・・・。

無念。

 

平日昼間の帯広は人通りの少ない寂しい町だったので、釧路へ行こうとしたがまたまた雨で断念。

天気予報によれば帯広の周囲の街は全部雨・・・

 

初日からそんな感じで気合が抜けまくり、帯広のライダーハウスやどかりの家で早めの休息。

ライダーハウスってのは、いわゆる格安のドミトリーのようなものだ。

自治体がやってるところでなければ、相当に面白みのある宿が多い。

見た目も多種多様。

ご多分に漏れず、ここもカオスな感じがステキ。

もちろん、入口に陣取る親父さんも良い味出してる。

気さくな親父さんにお金を払って入室。

室内もなかなかのものだ。

もうコレね。

何と言うか、昭和レトロ感が満載だ。

ウチの奥さんだったら、逃げ出してるレベル。

 

念願の豚丼も、近くの「えび家食堂」で食べることができた。

期待値が大きかったせいもあるが、そんなに旨いもんでも無いな・・・コレ。

夜は近所の風呂屋のような温泉「ローマの泉」に行ってから、ラーメン&ご飯を作り、他のライダーと酒盛りをして寝た。

1998/8/4(火)

7:00少し前に目覚め、天気予報をチェック。

雨雲は北東に動いているようなので、南に進路をとる。

まずはお約束の幸福駅

とっくに廃線になった駅だけど、幸福という駅名が人を惹き付け、ちょっとした観光名所だ。

鉄道マニアによると、この車両はキハ22と言うらしいよ。

この後は、襟裳岬経由で釧路へ向かおう。

幸福駅に行った後、中札内道の駅で朝飯だ。

当たり前のようにインスタントラーメンを準備するが・・・。

北海道まできてインスタントじゃな・・・と思って辺りをチェック。

ジュースの自販機の隣にあった「採れたて新鮮生卵自販機」を見るも、案の定10個で一袋

そんなにいらねーよ・・・と諦めかけたところに補充のおばちゃん登場。

食べきれないから1個バラ売りしてくれと頼んだら、なんとただでくれた。

あぁ、おばちゃんありがとう。

北海道の広大な大地で育てられた、新鮮なニワトリの卵は旨かったです。

 

日高山脈に入るとにわかに景色も険しくなり、いかにも山奥って感じになってくる。

そんな山奥のトイレ付駐車場でしばし休憩。

岬に近づいてきても、天気は一向に良くなる気配が無い。

そうこうして辿り着いた曇天の襟裳岬は、とても寒く風の強いところだった。

焼イカを頬張りながら、しばし岬の遊歩道を散策。

もう演歌の世界だね。 って言うかさ、夏なのになんで寒いの? なんで寂しいの?

さて・・・釧路に向け出発だ。

途中の駐車場でとびっこ丼を作るも、芯が残ったまずいご飯で気持ちも沈んでいく・・・。

襟裳岬から釧路へ向かう黄金道路は、「よくこんなところに道を作ったな~」っていう険しい海岸沿いの道だ。

景色に感動しながら釧路へ向けてひた走るが、いかんせん小排気量バイクは距離が稼げない。

都会の町中だと気にならないけど、ひたすら距離を走る北海道だときついね。

時間だけがどんどん過ぎて行き、もはや釧路到着は絶望的。

ここで焦ってもしょうがない。

幸いにして、ここは晩成温泉の近くだ。

こんな時は風呂に入って寝るにかぎる。

風呂に入ってすっきり爽快でテント泊。

しっかし、雲ゆきは相当に怪しい。

晴天を祈りつつ、21:00就寝。

1998/8/5(水)

今朝は4:30起床。

祈りが通じたのか雨は振っていない!

夜露で濡れたテントをトランクに押し込んで出発するが、ガソリンの残量が気になってカッ飛ばせない上に、雨まで降ってくる始末・・・(涙

タンク容量が小さいので、ストーブの燃料もガソリンにして共用してる。

途中、空腹に耐え切れずセブンイレブンでブリトーを買い食いしてしまう根性無しぶりも発揮しながら、釧路の和商市場でウニ丼!だけを心の支えにひた走る。

釧路市内に入ると雨が強くなり、ずぶ濡れで寒いという最悪な状況だが、歯を食いしばって和商市場に辿り着いた。

 

この和商市場ってのは変わった市場で、ご飯だけ買ってそのどんぶり片手に市場内で具材を購入するというシステム。

当初はウニ丼を目指していたが、いくら&キングサーモンの親子丼の魅力に負けた!

はじけそうなイクラ、脂ののったサーモン・・・じゅるっ

 

もぅ我慢できない!!

感涙に咽びながら市場のベンチに座りガツガツ食らう。

 

うま~い!

 

ここで先輩に頼まれていた買い物を済ます。

会社たっぷり休んでるからね。

罪滅ぼしと言うか、ご機嫌とっておかないと(笑

5,000円で毛蟹×2、たらば×1を買い、箱に直筆のメッセージを買いて即日送付。

写真が無いのは、雨でトランクからカメラを出すのも面倒だったから・・・。

 

次の目的地は釧路湿原経由の阿寒湖。

釧路市湿原展望台(360円)に登っても、小雨混じりの天気では展望など望めるはずもなく、失意のもとに阿寒へ向かう。

走れば走るほどに強くなる雨。

何度も根室へ進路変更しようかと迷ったが、途中のガススタで読んだ新聞で根室も雨と知って阿寒へ向かう決意を固める。

 

そして・・・

 

阿寒に向かうにつれて、天気は回復してきたじゃないか!!

どピーカンじゃないけど、雲の合間から太陽が覗く天気。

これだよ!

こうでなくちゃ!!

アイヌコタンで無事にライダーハウスも発見。

場所を確認してからオンネトーへ向かう。

 

晴れのオンネトーは、澄んだ湖水がとてもキレイだった。

天気も良いからちょっと山っ気を出して、展望台まで1キロ強の山登り。

あぁ~天気が良いだけで人はこうも行動的になれるんだなぁ。

帰りは途中の野中温泉(200円)で身も心もリフレッシュ。

頭なんか3回も洗っちゃったもんね。

今日のライダーハウスは想像以上に素晴らしく、建物はそこそこコギレイで安いし、宿泊客も良い人が多く、主人のおおらかな性格がにじみ出た良いライダーハウスだった。

宿の洗濯機でたまった洗濯物を洗い、近くのコインランドリーで乾燥。

その間にスーパーで晩飯の支度をしておく。

 

宿では、酒を酌み交わしながら刹那の交流。

この宿は主も宿泊者もみな気さくで楽しい。

バイトをしながら旅をしている学生、夜逃げしてバイトしながら生活しているオッサン、などなど。

夜は疲れもあって早々に切りあげ23:00就寝。

布団の上に寝ブクロの快適な寝床だぁ~。

おやすみなさい。

あ、歯を磨いてこなくちゃ。

1998/8/6(木)

6:00に起床するも、朝曇りなので2度寝してラーメン食べて、9:00頃に出発。

最近は雨についているので、最初から合羽を着込んでいこう(涙

まずは摩周湖、屈斜路湖へ。

途中雨に振られるが、摩周湖では島も見えた!

摩周湖と屈斜路湖の間にある硫黄山。

観光バスや車も多い観光名所だ。

歩き難いガレ場だけど、かなりの人数が山に登っている。

あちこちから噴出する、強い硫黄のニオイが鼻を刺す。

硫黄なんてお構いなしに、どんどん昇る。

いやー暑いね。

太陽がしっかりと顔を出してきて、暑くて合羽なんか着ていられない。

アイスクリームを舐めながら山を歩き、あちこちから硫黄の噴き出す様をじっくり観察し、しばし休息して屈斜路湖へ向かう。

屈斜路湖は、何というのか・・・普通の湖?だね。

昼は湖畔のアイヌ料理店丸木舟でコタン丼を食べて、次なる目的地へ。

次に向かうは地球の丸さを実感できるという多和平。

いやぁ~ここのだだっぴろい景色はいいねぇ!

牛や羊が草を食む、のんびりとした時間の流れ。

いいねぇ。

心が安まる。

ここで埼玉の杉戸から来たという親子連れから「オンネトーと神の子池は似たようなもんだよ」と教えてもらい、急遽開陽台経由の羅臼へと進路を変える。

この多和平から開陽台への道は、北海道に来た目的はこれ!ってな感じの直線道路でもぅ最高!!

ビバ北海道!!

晴れていて、まっすぐで、まっすぐで、どこまでもまっすぐだ。

開陽台は多和平と似たような景色だったが、多和平のほうが牛やヤギが眼下に見えた分のどかで良かったなぁ。

ここのキャンプ場は満天の星空が見れるらしいけど、天気が心配だったんで知床の羅臼へと進路を向ける。

 

羅臼ではライダーハウス白樺に拠点を設け、無料の露天風呂熊の湯の熱い湯につかって疲れを取る。

この宿は晩飯にチャンチャン焼き食べ放題、朝飯にいくら丼が付いて3,000円。

こりゃお得だ~と思ってたら、ストーブの調子が悪くてなかなか焼けず、あんまり食わずに腹一杯になっちゃったよ・・・。

詐欺だろ・・・。

宿のご主人曰く「魚はいくらでもあるから食べてくれ!でも米は貴重だから残さないでね!」って言葉が印象的。

北海道って米も多いと思っていたら、米よりはジャガイモだね、ってことだった。

ちゃんちゃん焼きの後は、ビールを呑みながら他のライダー達と語り合う。

それにしても、この宿の犬はぜんぜん吠えないなぁ。

 

1998/8/7(金)

寒くて目が覚めたら、Tシャツのままで爆睡とは・・・

それも4:00とは・・・

寝袋に入り直して、7:00ごろまでもうひと眠りだ。

起きたらそそくさと帰り支度をして、朝飯を食べる。

メニューはいくら丼とガモメ丼。

無難にいくら丼をチョイスしたけれど、ガモメ丼は昆布とろろかけゴハン?みたいな、ドロっとした何かがかかっていて結構美味しそう。

いくら丼とホタテの味噌汁も旨かったなあ。

 

最初に立ち寄った瀬石温泉では干潮でグットタイミング!

満潮時は海に沈んでしまう温泉で、バス停から見下ろせる場所にあるため、若干気恥ずかしい気もしなくも無いのだが、旅の恥はかき捨て。

じっくり暖まったあげくに、他の旅行者に写真まで撮ってもらう。

 

相泊では、学生時代に知床岬まで海岸伝いに歩いたときのベースとして使わせて頂いた熊の宿が、こざっぱりと新しくなっていて驚き。

もぅ、昔の面影も無く、昔を訪ねる旅、挫折・・・。

 

知床峠は、雲に入るかと思ってひやひやしていたが、対向車は濡れていないので、カッパはつけずにGo!

普段走っているときは、ショボイ展望台なんぞはすっ飛ばして通り過ぎるんだが、珍しく休憩でもしようかと立ち寄ってみると!

 

な、な、なんと!

 

学生時代の研究室の後輩と奇遇、遭遇、千載一遇!

いやぁ、珍しいこともあるもんだ。

久しぶりなんで少し立ち話をして、おのおのが逆方向に別れ旅立っていく。

 

次に向かうはカムイワッカの滝。

ここは学生時代の、知床縦走の出発点とした所。

懐かしい秘湯の思い出を胸に、猛烈な砂利道を走りつづけて辿り着くと、車&観光バス&物売りがいっぱい。

なにが秘湯やねん!

みんな水着着てるし。

水着なんか当然持ってないので、観光客がいなくなるくらい上まで登って、素っ裸で風呂につかる。

 

ああああ~ 極楽・・・

 

素足で登ったんで、帰りは結構恐かったが、まぁ難なくこなして知床五湖へ。

ダートをを抜けたところで、ステップが割れてしまったライダーに補修用の針金を分ける。

ダートをレプリカで走るのは勇気が要るね・・・。

 

さあ、カムイワッカの滝でだいぶ遊んでしまったんで時間がない。

知床五湖では、名物のアイスを食べてすぐに斜里へ向かう。

道中、鹿に遭遇。

鹿だよね!

鹿だね!

鹿!

 

止まって写真を撮っていたら、後続の車も止まって撮影会。

 

良いね!ナイスカメラ目線!

左右をしっかり確認して、走り去っていった。

 

斜里への途中にはキャンプ場もあったが、ここでも何故か野宿してみたくなって斜里駅へと向かう。

駅近くの駐車場で飯を作って食べ、駅の乗降客の居なくなる夜を待って野宿だ。

駅で野宿というのは、北海道のよくある光景だ。

自転車とかバイクの人が多い。

 

今夜も、そんな旅人たちに混じって寝る・・・はずだった。

駅の軒下で寝る支度を整え、銭湯から帰ってくると。

 

なんと!

 

な、な、なんと!

 

学生時代のワンダーフォーゲル部の後輩、鳥居君に出会うなど!

そんなことあるのか?!

遠く離れた北海道で、埼玉や栃木に住んでいる後輩に、1日で2人も会うなんて!

今日は何て不思議な日なんだろう!!

 

まー出会っちゃったからね。

そう簡単には寝らんないよね。

呑んじゃうよね。

その夜はビールを片手に、語り明かす(ほどほどに)ことになるのだ(笑

1998/8/8(土)

朝5時くらいに近所のオヤジに起こされるのは、野宿の宿命だね。

当然二度寝するけれど、さすがに6時くらいになると他の野宿組みが動き出すから、ゆっくりと寝ても居られなくなる。

朝ご飯にカップ麺を食べ、昨日の日記をつけて、8:30に出発。

鳥居よ、また学園祭で会おう!

 

まずは網走監獄博物館へ向かうが、真夏の8月であるにもかかわらず、とにかくめちゃくちゃ寒い!!

電話で聞いた天気予報では、最高気温14度で低温注意報・・・

 

マジかよ!!

 

吐く息も白くなる寒さの中、監獄博物館の前に流氷館に行こうとしたが、雨が降ってきたので監獄博物館だけに。

入館料1,050円と、他の博物館よりちょっと高めの値段設定だが、さすが有名な監獄博物館。

展示は結構面白く、じっくり楽しめた。

出発支度を整えながら、ふと流氷館のある天典山をみると、さっきは雲に隠れていた山頂のアンテナがしっかり見えている。

ん、、、行ってみるか?!

が、目前まで来たものの、ナントナクつまらなそうなオーラが漂ってきたので引き返す。

 

さぁ、次に向うは、大好きなホタテの待つサロマ湖だ。

途中の海産物直売所で、選別をくれた会社の仲間にホタテなどを送る。

気候はいよいよ寒く、凍えそな勢いだ。

いや、マジで。

 

サロマ湖のホタテ直売所に付く前に、船長の家というレストラン兼民宿を発見。

ここで食べたカニ&ホタテのおすすめ定食はすごかった。

あまりの感動に写真をパチリ。

カニ飯や、ホタテフライなどの定食の盆、かに料理の小鉢が3つ、タラバの足x2、毛蟹1杯!

ほんと北海道きてよかった~。

さぁ次は何処に行こうか?

 

最近日課になった天気予報を聞くと、紋別は最悪らしいが、旭川方面は好天とのこと。

早速旭川方面へ向けて移動開始。

旭川手前の層雲峡まで行かないとキャンプ場も無いみたいだ。

移動距離がかなり長めで、こんなときは110ccだとちょっと辛い。

だけど、ひたすら山の中を走り続けて辿り着いた上川町は、もうウキウキするくらいの快晴。

晴れているだけで、旅の疲れも吹っ飛んでしまう。

そして、今日の宿泊は上川町のキャンプ場。

小排気量にトランク載せて走ってるってことで、周りのライダーからもちょこちょこ話しかけられる。

 

そして、北海道で初めての星空。

とても綺麗な、怖いくらいの満天の星空。

その星空を眺めながら、他のライダー達と酒盛り。

ご飯の炊き具合も完璧で嬉しかったな。

 

なにもかもが楽しく、うまくいった1日だった。

寝る前にTVを持っている人に聞いた話だと、明日は富良野方面が天気が良いらしい。

じゃぁ、富良野へ向かおうか。

 

1998/8/9(日)

朝起きると快晴。

北海道で初めての、素晴らしい晴れた朝。

撤収準備ものんびりと、テントやフライもしっかり乾かし、その間に朝飯をしっかりと食らって出発。

バイクを走らせながら、層雲峡観光にするか黒岳登山にするか散々悩むが、この天気だ。

これなら山を登らない理由はない。

行け、黒岳へ!

そうは言ってもバイク旅の軽装備。

登山用の装備なんて、何も持ってない。

ロープウェイやリフトを乗り次ぎ、7合目まで登って歩き始める。

天気は快晴!

シマリスも居たけど、すばしっこくて写真はムリ・・・。

それにしても、空荷だというのに足どりが重い。

体力が低下していることをヒシヒシと感じるわ。

1時間ちょっとで山頂に着くと、そこは素晴らしい景色で感動のあまり立ち尽くしてしまった。

記念写真も忘れずに!

下りは足取りも軽く30分ほどで7合目に戻る。

入山者名簿に下山時刻を記入すると記念葉書のプレゼント。

次に向った層雲峡は、ソコソコ良い景色であったが、黒岳を登った後では、何もかもショボく見える。

先にこっちに来ておくべきだね。

順番間違えたなぁ。

 

途中立ち寄った比布の町営ライダーハウス「ブンブンハウス」は、とっても綺麗なライダーハウス。

今夜の宿はココにと現地に向かい、13:30に到着。

で。

11:00~15:00は閉館・・・だと・・・。

しゃーない、とりあえず北竜へ進むか。

 

北竜では前夜のキャンプ場で一緒だった、浪花のライダーと再開。

北竜に広がるヒマワリ畑は、広く、広く、綺麗で、黄色い絨毯みたいで見事。

 

夕方に比布ブンブンハウスへ戻ってみると、もうかなりのライダーがおり満員御礼状態。

しかたないので横の駐輪場内にテントを立てさせてもらう。

晩飯のおかずを買いに寄ったスーパーで、肉を小分けにしてくれと伝えると、玉葱も切ってただでくれた。

旅先で触れ合う人の暖かさ。

嬉しいです。

ビバ比布!

 

ご飯もうまく炊け、豚玉マヨショーも良い具合にでき満足。

その後は、他のライダーと語り、風呂に入って日記をつけて就寝。

おやすみなさい。

1998/8/10(月)

雲の合間から見える青空。

良かった・・・少なくとも雨じゃない。

昨日のスーパーで398円で買った夕張メロンを朝飯に、すこしのんびりして出発。

まずは天人峡へ向かう。

少し迷いつつも何とか到着。

羽衣の滝の全景が見れるという滝見台へと約40分の山登り。

途中に共同アンテナ設備があり、アンプメーカなどをチェックしてしまうところに職業病だなぁって感じる。

独りぼっちということもあって、登っている間は熊が恐かった。

手をたたいたり、歌を唄いながらしながら登るが、唐突に人に合ったりするとすごく気恥ずかしくて、遠ざかったろうなぁってくらい離れないと、歌は始められない。

滝見台につくと、旭岳の山頂部には雲がかかっているものの晴間になっている。

やっぱり素晴らしい景色を見るには苦労しないとだめなんだなぁと再確認し、写真を撮りまくる。

下山途中では登山者2人とすれ違った。

これから長いよ。

頑張ってねー。

さ~美瑛にでも行くか~と思いきや、いよいよチェーンの音がうるさくなってきた。

旭川のレッドバロンに行ってチェーン調整をすることにする。

こんな時じゃなきゃ全国チェーンの有難味はわからないからね。

途中で人気のラーメン屋という 「 つた亭 」 へよってラーメンを食う。

独特の食感のある黄色い麺。

うむ、うまい。

レッドバロンでチェーン調整を終えると一路美瑛へ。

美瑛は写真で見たとおりの奇麗なところだった。

○○の丘やら○○の木という、それこそ観光バスがくるようなスポットではなく、フツーの裏道がとても素敵なところ。

レンタル自転車も良いけど、坂道が多いし、スポットが点在してるからちょっとね・・・。

そうこうしてるうちに時は過ぎ、そろそろテン場を探さないと、また道端野宿になっちゃう。

上富良野の大型スーパーで食材 & 靴下を購入し、栃木のGPZの兄ちゃんと、難波の鉄筋工の兄ちゃんに紹介して貰った 「 白金国設野営場 」 に行く。

野営場に着くと・・・何とここを紹介してくれた二人と再開。

彼らは上富良野の町で偶然出会ったそうな。

む~こういうのも旅の醍醐味だね♪

この国設野営場はテントサイトが草地で、車が乗りいれ禁止になっている。

駐車場とテン場が5分くらい離れているので、キャンパー向けに一輪車(ネコ)を貸してくれるが、もちろんそんなの必要無ねぇ!!

キャスターつき自作トランクがあるもんね!

やっぱ非常に便利~!

晩飯はカレー。

ご飯もうまく炊けました。

食後は3人で語りあい、宮沢りえが北の国からで入ったという露天風呂、吹上温泉に夜風呂しにいく。

この温泉は混浴で、夜は仕事帰りのホステスさんも多いなどと話を聞くと、妙な期待をしてしまう。 はい、もぅホントにアホです。

 

 

混浴なんだってさ!

夜に行けば、仕事上がりの飲み屋のねーちゃんがいるらしいぜ!

マジかよ!!

行こうぜ!

そんなノリで、アホみたいに遠いのに出かける。

若さ故、だな。

街頭も何もない道は、オレの6V車のライトじゃ懐中電灯のように暗くて、全然スピードが出せない。

だけど、ライダーの絆は固いんだ。

心配して迎えに来た他のライダーが、後ろを走って前を照らしてくれた。

みんな本当に優しい。

温泉へ行くまでの道はほんと~に真っ暗で、標識だけが浮きあがって見えるので、まるで空を飛んでいるみたいだった。

温泉は大きい湯船と、小さいと湯船があり、大きいほうは熱いので空いていて、小さい方がイモ洗い状態。

ランタンを照らすアホなキャンパーに 「 混浴だぞ! 消せ! 」 と叱咤しつつ、3人で大きい湯船につかり、熱々のまま就寝。

でもね・・・近くのキャンパーの子供が夜泣きをして中々寝付けませんでした。

キャンプに幼児は厳禁だね。

配慮の無い親の赤ん坊の泣き声なんて、暴走族と一緒だ。

せめて車の中にでも移動してくれれば、ゆっくり寝れたのに。

残念。

1998/8/11(火)

8時ごろに起きて昨日の日記をつけている横で、この寝不足の原因となった馬鹿キャンパーは楽しそうに朝ご飯の準備。

ま、自分の子供だから慣れっこだろうさ。

こっちは大迷惑だけどね。

そんな気持ちを察してか、天候はあいにくの曇り。

天気予報によればお昼頃からは晴れるとのことで、ちょっと行動をゆっくりすることにした。

バイク仲間3人で住所を交換して、年賀状交換を約束する。

さぁ、明日の夜はフェリーターミナルで野宿だ。

今日が最後の自由な1日だね。とりあえずは富良野に向かおう。

昨日の夜、吹上温泉に忘れたスタンドの敷板を回収して、知人にコンビニで電話をすると、今日晩飯をご一緒させてもらえることになった。

こりゃぁ時間がないので急がないと!

とりあえず直線道路日本一を通っていくが、この12号道路は直線なんだが、いわゆる産業道路だからつまらない。

知人とは勤め先で待ちあわせをしているので、大体の見当をつけて走っているうちに到着。 

事務所で少し待って知人宅へ。

奥さんと8ヶ月の赤ちゃんがおでむかえ。

毛蟹や刺し身、うに丼をごちそうになる。

う、うまい~(涙)

その後は風呂に入って一夜の宿を貸していただくことになる。

感謝感謝!!

久しぶりの布団だ。

1998/8/12(水)

それにしても、布団ってのは大変心地好いものだなぁ。

朝起きてテントをたたまなくて良いのも嬉しいなぁ。

布団を畳んで下に降りると、知人はまだお休み中。

奥さんが朝ご飯の支度をしていた。

この間に昨日の日記をつけておく。

気付いたら外は雨。

雨の支度をして知人の出勤と共に家を出る。

知人は少し風邪気味で、今晩も宿泊をすすめてくれるが、甘え過ぎては迷惑になる。

心から感謝をしながらの出発。

奥さんとゆうせいちゃんもお元気で。

たいへんお世話になりました。

ご恩は忘れません。

今夜はフェリーターミナルで得意の野宿をするつもり。

でも走りだしてからというもの、雨がどんどんひどくなる。

北海道到着以来最悪の天気じゃんか~!

もぅすっかりグレてしまって、まっすぐフェリーターミナルを目指す。

これから行けるところは余りにも少なく、かつ、明日の朝9:30にフェリー間にあうところで、ライダーハウスのあるところなぞ、支笏湖以外には無い。

しかし現在の状況は靴の中もびしょびしょで、極めて最悪。

ずぶ濡れの状態で湖なんか見たくない。

もぅさっさとフェリーターミナルで野宿することにしよう。

2時くらいにフェリーターミナルに到着し、テレビを見たりして暇をつぶす。

外は相変わらずの霧雨で、晩飯を買いに行く元気も空に吸い取られて行くみたい。

とりあえず、玄関脇の屋根のある場所を確保したので、テントを立てて、ウッシャと気合入れて晩飯を買いに行く。

ここに辿りつく前にマクドナルドがあったなぁ。

よっしゃ!

北海道最後の晩飯はマック!

あれ・・・線路があって向こう側に行けないぞ・・・。

あ、カレー屋がある!

大好きなココイチ

いやぁ辛いカレーってやっぱうまいなぁ。

帰りにコンビニでパンと卵を買って帰る。

ここはピッチが通るので結構暇つぶしになって楽しい。

このターミナルが閉じるのが24:00だが、いつのまにか寝ていた。

あんな明るくてうるさい所でよく眠れたなぁ。

 

1998/8/13(木)

朝起きるとやはり雨。

屋根のあるところでよかった・・・。

ご飯を食べてテント撤収。

売店が開くまで待って、土産を買う。

8時に乗船手続きを済ませ、10時の積み込みをテレビを見ながらひたすら待つ。

まずトラック、次に乗用車、大洗行きバイク、東京行きバイクの順。

積み込まれたら風呂へ直行。

さすがに一番とはいかなかったが、すいている風呂できれいさっぱり!

あとはひたすらに寝る。

もうこれでもかというくらいに寝る。

そういえば、コンビニで買い込んだ船内用食料をバイクに忘れちゃった・・・。

1998/8/14(金)

あまりにも寝すぎて午前3時に目がさめる。

しかし、また6:30まで2度寝。

ちょうど大洗に到着したので、ロビーへ行ったら、面白い映画(タイトル忘却)がやっていたので、腹が減ったのも忘れて釘付けになってしまう。

映画が終わってちょっとすると、船内朝食のアナウンスが流れたのでトライしてみることにした。

バイキング形式で1,000円。

まぁ安い旅館みたいな内容だけど、腹がふくれて満足。

次は風呂!

とりあえず風呂に入って一眠りして、ハンターカブのマニュアルを入力したりして暇をつぶす。

で、また風呂に入って、また寝て、起きて、入力して、ゲームして、風呂に入って・・・。

あ~早く着かないかなぁ。

 

 

そんなこんなで、無事に家に帰り着きました。

雨や寒さが思い出深い旅でしたが、 思わぬ旧友達との出会い、 旅先で出会う人たちの暖かさ、 一人旅ってホントに楽しいですね!

終わり

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