愛機だったXperia Z Ultraがだいぶ調子が悪くなってしまったので、Xiaomi Mi Maxを買った訳だが、別にRoot取らなくても普通にプラスエリア化ができたのでメモを残す。
ネットをあちこち探していると、どこもDFS CDMA Toolなるものを使って3Gだけプラスエリア化するのが主流みたいだね。 でも、今回はXperia Z Ultraのプラスエリア化と同じ手順でやってみるテスト。
基本的にQualcomm系なら、みんな同じなんじゃないのかね。
用意するソフトなんかも一緒だけど、ドライバだけ端末に合わせて入れておこう。
署名なしドライバのインストール方法はネットに山ほど転がっているので、自分のOSにあわせてそちらを参照されたし。 おまじないはコレ。
bcdedit /set TESTSIGNING ON/OFF
■DIAGモードに入る
まず、開発者モードを有効にした状態で、電話アプリで下記をダイヤル。
*#*#717717#*#*
すると「Diag USB Port enable」と表示されてDIAGモードが有効になる。 もう一度、同じコマンドをダイヤルすると無効になる。
DIAGモードを有効にしたらUSBケーブルでPCと接続し、デバイスマネージャを開くとCOMポートが追加されている。
これで準備OK。
引き続き3G回線のプラスエリア化をしよう。
3G回線のプラスエリア化
QPST 2.7 build402をダウンロードしてインストールし、QPST Configurationを起動する。 先に確認したデバイスマネージャのCOMポートと、同じポートが選択されているはず。
次にRF NV Item Managerを起動する。 メニューに登録してあるショートカットをクリックするとPDFファイルが開くが、これはリンク先が間違っているからなので、下記を起動させてくれい。
C:\Program Files (x86)\Qualcomm\QPST\bin\RF_NV_Manager.exe
画面下部には先ほどのCOMポートが表示されている、と思うが違っていたら[Setting]-[Comport]で選択できるかも。 そうしたら[File]-[Read From Phone]をクリックする。
そうすると今の電話の情報がズラーッと読み込まれるので、[1877]をクリックすると横に15桁の数字が表示される。 この数字はモデルによって違うようで、International版だと[562950035735427]だった。
後で参照したり、書き戻したりしたくなった時のために、これをメモ帳とかに貼り付けて取っておく。
次に下記の2つのファイルを展開する。
展開したファイルのうち、wxmsw293u_gcc_custom.dllを、mzTool_1.2.1a.exeと同じディレクトリに移動して、mzTool_1.2.1a.exeを起動する。
起動したら[Input Radix]のラジオボタンを[Decimal]にして、赤枠のテキストボックスに先ほどの15桁の数字をコピペすると、下の[Bit Information]にその数字が対応する周波数帯域(BAND)が表示されるので、これも先ほどのメモ帳にでも貼り付けてとっておく。
ちなみに、オレのXiaomi Mi Maxはこうだった。
旧:562950035735431
バンドはコレ。
[Bit_00] Band Class 0, A-System
[Bit_01] Band Class 0, B-System
[Bit_02] Band Class 1, all blocks
[Bit_07] GSM DCS 1800 band
[Bit_08] GSM Extended GSM (E-GSM) band
[Bit_09] GSM Primary GSM (P-GSM) band
[Bit_19] GSM 850 band
[Bit_21] GSM PCS 1900 band
[Bit_22] WCDMA Band I – EUROPE JAPAN & CHINA IMT 2100 band
[Bit_23] WCDMA Band II – US PCS 1900 band
[Bit_26] WCDMA Band V – US 850 band
[Bit_49] WCDMA Band VIII – EUROPE & JAPAN 900 band
次に[Band Preference]タブをクリックして、先ほどの周波数帯域のチェックボックスにチェックを入れていく。 全てチェックを入れたら、下部中央にある[RF BC Config]の[Decimal]の値が、[,]を除いて一致していることを確認する。 ここがスタート地点なので、間違えないように。
これに追加したい周波数帯域のチェックを入れてやりましょう。 プラスエリア化に必要なのは下記らしい。
- [27]VI-Japan 800
- [50]IX-Japan 1700
- [60]Reserved for BC10-1700
さらに、ハード的に対応できているかわからないけど、海外旅行で使うためにヨーロッパも追加しちゃおうかな。
- [25]IV-US 1700
- [48]VII-Europe 2600
これらを追加したら、下部中央にある[RF BC Config]の[Decimal]の値をメモ帳にコピペして取っておく。 カンマは不要。 確認したらこうなった。
新:1154891829693907847
バンドはコレ。
[Bit_00] Band Class 0, A-System
[Bit_01] Band Class 0, B-System
[Bit_02] Band Class 1, all blocks
[Bit_07] GSM DCS 1800 band
[Bit_08] GSM Extended GSM (E-GSM) band
[Bit_09] GSM Primary GSM (P-GSM) band
[Bit_19] GSM 850 band
[Bit_21] GSM PCS 1900 band
[Bit_22] WCDMA Band I – EUROPE JAPAN & CHINA IMT 2100 band
[Bit_23] WCDMA Band II – US PCS 1900 band
[Bit_25] WCDMA Band IV – US 1700 band
[Bit_26] WCDMA Band V – US 850 band
[Bit_27] WCDMA Band VI – JAPAN 800 band
[Bit_48] WCDMA Band VII – EUROPE 2600 band
[Bit_49] WCDMA Band VIII – EUROPE & JAPAN 900 band
[Bit_50] WCDMA Band IX – JAPAN 1700 band
[Bit_60] Reserved for BC10-1700 band class
RF NV Item Managerに戻って、先ほどコピーしたテキストボックスをマウスで右クリックして、新しい値を貼り付けて[Write NV]ボタンを押す。 キーボードショートカットは効かないみたいなので注意。
さて、これやったらもう戻れないか・・・。 最後に端末に書き込んで終了だ。 ドキドキするね。 コマンドは[File]-[Write Changed NV Item To Phone]です。
押しても反応が何も無いので怖くなるけど、[File]-[Read From Phone]して[1877]を確認してみよう。 無事に書き込んだ通りであればOKだ。
次はLTEのプラスエリア化だ。
LTEのプラスエリア化
QXDM Professionalを起動して、[Options]-[Comunications]でQPSTの時と同じCOMポートに電話があるので、[Target Port]で同じCOMポートを選択する。
次に[View]-[New]-[Common]-[NV Browser]を選択し、[Category Filter]を[LTE]にして、[ID]が[06828]の[LTE_BC_CONFIG]をクリックし、[Read]ボタンを押すと[Fields]欄の上段に値が入るので、[Input]の値をコピペする。
コピペした値はメモ帳に貼って取っておく。 元々の数字はコレ。
旧:2061584302149
このコピペした値を2進数に変換する。
00011110000000000000000000000000000001000101
長ぇ(笑
これは44ビットで各ビットがBANDに対応しているので、桁をわかりやすく10ずつ区切って並べてみるとこうなる。
00011 1100000000 0000000000 0000000000 001000101 43210 9876543210 9876543210 9876543210 987654321 40~ 30~ 20~ 10~ 1~
数字は右から左にかけて44ビットだ。 つまり、基本の設定では下記のLTE帯域に対応していることになる。
- 1,3,7,38~41
XiaomiのWebで見ると、正にどんぴしゃ!!!
と言うことで、LTEもプラスエリア化させるためには、下記を追加する必要がある。
- 19,21
海外でも使いたいから下記も追加する。 使えるかは不明だけど、XDA Forumで帯域追加のサンプルとして出ていたものも片っ端から追加した。 ちゃんと動くかは知らぬ。
- 2,4,5,8,12,13,14,17,18,20,29,31,32
ついでに最新規格の下記も入れとくか(笑
- 28
と言うことで、ハードが対応しているかとかを構わず盛り込むとこうなる。
00011 1100000110 1100000011 1110011100 011011111
43210 9876543210 9876543210 9876543210 987654321
10進数にするとこうだ。
新:2065210226911
だけど、電卓アプリからコピペして書き戻そうとしても[Bad Value Discarded]になるので、何がまずいのかを調べていくと、電卓アプリでコピペした値の前後には何か文字コードが付加されているらしい。 メモ帳に貼り付けても何も表示されないのだけれど、Terapadに貼り付けると[?]が前後にくっついていた。 これが原因かよー。
無事に入力できたら、[Write]ボタンを押して終わり。 念のため[Read]ボタンを押して、ちゃんと書き込まれた値通りなら問題なし。
よし、ではちゃんとできたか確認!
DIAGモードの終了
ここまでやれば、あとはDIAGモードを終了させてOK。 電話アプリで下記をダイヤルすると、DIAGモードが終了する。
*#*#717717#*#*
ここでいったん、端末を再起動させる。
無線バンドの変更
端末を再起動したら、電話アプリで下記をダイヤル。
*#*#4636#*#*
テスト中という画面になるので、携帯電話情報をタッチ。
画面下部の[More]をタッチする。
無線バンドの選択ができる。
JAPAN BANDが選べまーす! やりましたー!
まとめ
- QXDMさえあればQPSTとかNV managerとか使わなくてもできそうだけどやってない。
- LTEのバンドを19とか21だけにして、3Gをオフにして通信ができればLTEプラスエリア化の検証と、端末が対応しているかってことも検証できそう。
でも、検証もなにも、この作業の数時間後に壊れてしまうという事態が・・・。 まじかー!!! それも、物理的な破損もあって、電源挿そうがボタンを押そうが、まったく何も反応しない完・全・終・了!!!!
質問とかされても、動かないので試せないから返答できません。 あしからずご了承ください(涙
2016/10/29追記
どうしても検証したくて、国際版を2台買って試してみた。 まず、QXDMで[1877]の値を読むと下記の通り。
562950035735427
プラスエリア化後はこうなってる。
1154891829693907847
と言うことで、単純にプラスエリア化をやるだけなら、QXDM Professionalで下記2つの値を書き換えれば良いと言うことになる。
[01877:RF_Band_Configuration]-[1154891829693907847]
[06828:LTE_BC_CONFIG]-[2065210226911]
検証用に買ったInternational版だと、無線バンド選択のメニューが出てこないな。 なんでだろう。 それにしても、Mi Maxってやっぱ良いわ。 あとはプラスエリア化をした端末と、してない端末とで、ビル中とか山奥に行って試してみるだけだな。