ことの発端は、O’TAQEさんのWebにあった 「 ホンダ6V車の12V化に関する考察 」 です。 とても丁寧な回路図付の解説があり、 「 ん・・・? こんな簡単にできんの? え・・・まじ? やってみるか・・・ 」ってノリで始めてみました。
理屈云々はO’TAQEさんのページを参照して頂くことにして、 「 あれが簡単だと? 回路図なんざ読めねぇ! 電気のことなんかぜんぜんわかんねーよ! 」 という人向けに、何を用意して、どこに何を付ければいいのかを解説してみたいと思います。 なお、12V化のついでにウインカーをLED化しましたが、これはまた別にご報告します。
さぁ、快適な12Vライフへ向けて頑張りましょ~!
※ 本記事をご覧頂いた方からご連絡頂きましたが、少なくとも81年製の国内仕様については、バッテリーがレギュレータ代わり、シリコン整流器がレクチファイアとして使用されているようです。 よってこのWebのままというわけにはいきません。 ご自身のCT110にレギュレータが見当たらない方は、これに該当されるかと思います。 ご連絡頂いたmoritonさん、ありがとうございました。
1.12V化した方が良い人はどんな人?
これに該当しない人は、わざわざ12V化改造をする必要はありません。 そのまま大切に愛車を乗り続けましょう。
- 6Vの電球類は、入手するのが大変だ。
- 全開で走りまくるので、ときどき電球類が吹っ飛んで困る。
- グリップヒータや時計を付けたいが、6V用が無くて困っている。
- ホーンの音がチープ過ぎて嫌だ。 フェラーリみたいにしたい。
- とにかくヘッドライトが暗すぎる。 もっと光を! 白い光を!
- ヘッドライトの、LowとHighを切替える時のタイムラグでいつもビビる。
- 人間もウインカーも、キビキビした動作じゃないと腹が立つ。
- イジればイジるほどに愛着が湧く性格。 ちょうど次のネタを探していたところだ。
2.用意するもの
最低限の工具、部品類、配線用の雑材料があればできます。 大げさな道具類は一切不要なので、気楽にいきましょう。
- 工具
- プラスドライバー
- 10mmレンチ
- ニッパ
- ペンチ
- パーツ類
- レギュレータ ( コネクタも )
- ウインカーリレー
- 各電球類すべて
- ホーン
- バッテリー ( FB2.5L-C 12V 2.5Ah )
これらのパーツ類のうち、1、2は廃車になったDioからゲットしました。 新品を注文しても良いでしょうし、解体屋があればそこで入手できるもので良いでしょう。 ただ、あまり古いバイク&排気量の違うものは、やめた方が無難です。
- 雑材料
- ギボシ端子 8組以上
- クワ型アース用端子 1個 ( φ6程度 )
- ビニールテープ
3.レギュレータとコネクタ
まず、レギュレータと、それに合うコネクタをバイク屋か解体屋さんから入手しましょう。
レギュレータというのは写真のような、割と小さな部品です。 私は廃車になったDioから頂きました。 Dioだと、ボディ右側のシート下あたりにあります。 コネクタも必要なので、配線を10~20cmくらい付けたまま切ってもらっておきます。
コネクタは、配線の先にギボシ端子を付けときます。 標準レギュレータには配線が直接接続されてるので、外すときに切らなければいけません。
そうすると、レギュレータを付け替えたときに配線が短くて届かなくなるので、10~15cm程度の長さを残しておいた方が、後で付けやすいです。
4.バッテリーを外しておこう
さぁ、まずは不要となるバッテリーを外しましょう。 バッテリーは、車体右側のカバーの中にあります。 また、バッテリーの奥側でストッパーの役割をしていた金属板を抜くと、ウインカーリレーがくっついてます。 いまのうちに交換してもOK。
5.レギュレータを外しやすくする
ハンターカブの標準レギュレータは、ちょうどカブの首のあたり、エンジンの真上にあります。 カブの首の部分のカバーを外して、レギュレータを外しやすくしてから作業します。
首の付け根あたりには、コネクタ等を収納している黒いゴムの袋があります。 中のコネクタもいじるので、口を締めているバンドを緩めて、開いておきます。
6.標準レギュレータを外す
さて、標準レギュレータを外し易くなったところで、ずばっと配線をぶった切ってしまいましょう。 根元近くで切ると、後で戻せなくなる ( 戻さないけど ) ので、5cmくらいの余裕を持って切ります。 こうしておけば、万が一のことがあっても、ギボシ端子などを使って元通りに接続することができるから。
切った配線のうち、桃色の線は車体側 ( 5.で開いておいたゴムの袋側 ) へ抜いておき、残った配線 ( 白、黒、緑、赤 ) には、ギボシ端子を付けましょう。 先に用意した12V用レギュレータを取り付けるためです。
7.配線を変える
6.で引き抜いた桃線にアース用端子を付け、エンジン本体のボルトに共締めします。 留め易ければ、どこでも良いです。
次に、残った4本の配線のうち、黒線を5.で開いたゴム袋の中で外して、そのへんのどれか黄色の線と接続します。
ヘッドライト方面へ行ってそうな線が狙い目です。 私はテキトウなコネクタから黄線を引き抜いて、そこに黒線を一緒に留めましたが、車用品店にある配線分岐カプラを使うとラクだったかも。
8.レギュレータを付ける
下記の組み合わせで12V用レギュレータをつなぎます。 ギボシ端子をオスとかメス同士で付けていた(笑) なんていうオチは無いですね?
レギュレータのコネクタ側 | 白線 | – | 白線 | 車両側の配線 |
赤線 | – | 赤線 | ||
緑線 | – | 緑線 | ||
黄線 | – | 黒線 |
接続後は、しっかりビニールテープ等を巻いて防水処理をして、元のレギュレータと同じ位置に戻しましょう。
私の付けたDio用レギュレータは、ちょっと斜めにつけてやると、元のボルト穴がそのまま流用できました。 物によってはそのままじゃ付かない物もあるかもしれません。 そんなときはレギュレータの穴を広げたり、汎用ステーを使うなりして、どうにかテキトウに付けちゃいましょう。
くれぐれも走行中に落とさないようにね!
9.電装系を12V仕様へ変える
さぁ、ここまでくればもぅ走れます。 ただ、このまま公道を走ると、ウインカーやブレーキランプが過電圧で切れてしまい、危険極まりないのでやめましょう。
変えなきゃならないのは、ヘッドライト、ポジションランプ、ブレーキランプ、ウインカーランプ、ウインカーリレー、ウインカーインジケータ、メータ照明、ニュートラルインジケータ、ハイビームインジケータ、ホーン、バッテリー、バッテリー脇のヒューズです。
メータ照明や各インジケータ類は、ヘッドライトを外したときに簡単に外せます。
バッテリーは2.で紹介したFB2.5L-Cがサイズ的によろしいのですが、それでも若干大きめ。 なので、多少強引に、バッテリーを入れるところの金属板を曲げてやると、なんとなくそれっぽく収まります。
10.快適12V生活へようこそ!
さぁこれで完成です。 走行前に、保安部品であるヘッドライト、ブレーキランプ、ウインカーの動作確認だけは、しっかり行って下さい。
どう? 簡単でしょ? 見た目は普通のハンターカブ。 しかし、もはや6V部品を探して彷徨うことは無いのです。
なお、このページを参考にしてカブをぶっ壊しても責任は持てません!(笑
さぁあなたもハンターカブ12Vチューンを!
11.関連サイト
- ホンダ6V車の12V化に関する考察 ( 元祖!お世話になりました )
- CT110の12V化 ( 郵便バイクガレージ内のコンテンツ )
- ハンターカブ12V化 電装工事