【書評】生物と無生物のあいだ


体の中を颯爽と風が吹き抜けるような、
爽やかな読後感が清々しい理系本。
物理的な意味での私達の「肉体」は、
凄まじい勢いで常に入れ替わっている。


 かつ消え、かつ結びて、
 久しくとどまりたるためしなし。
 世中にある、人とすみかと、
 又かくのごとし。
こんな方丈記の一節を思い出してまうような、
人体の神秘を追求するドキュメンタリーだ。
これほどまでに、繊細で、細やかで、
そして強靭なシステムがココにある。
その神秘を紐解く過程には泥臭い、
地道な努力の積み重ねがあった。
そんな泥臭さを感じさせずに神秘を語り、
読後は爽やかささえ感じさせる。
理系本ではあるのだが、読み易さと
ワクワク感は万人にオススメできる。
半年前のあなたは、今とは物理的には別人。
それは骨や歯さえも例外では無いのだ。
自然も人も、移ろいゆくものなのだな。