【書評】スキャナー・ダークリー


難しい。 近未来SF麻薬廃人小説。
30年前に描かれた著者の世界観は、
一部は現実となり、残りは未だ夢物語だ。
読後は、遊園地のコーヒーカップに乗って
ハンドルを思いっきり回した後のような、
そんな目まいさえ覚えてしまう。


囮の麻薬捜査官が麻薬によって壊れていく、
そんな三文小説にもあるようなストーリーは、
著者の繰り出す小道具のひとつでしかない。
自分と他人の区別と境界が溶けて曖昧になり、
深い渦に吸い込まれるが如く落ちてゆく。
爽やかでもないし、ハッピーエンドもない。
断片的な記憶が、今にも崩れ落ちそうな記憶が、
危なっかしく組み立てられて綴られていく。
あぁ、後でもう一度、読み直してみよう。

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