よなよなエールの超宴 in 新緑の北軽井沢(2015/5/23~24)に参加したのは既報の通り。
このイベントでは色々な体験セミナーが開催されていたんだけれども、中でも特に新鮮な驚きと感動を覚えたのがコレ。
同じ缶ビールをグラスを変えて味わってみる、ただそれだけなのに、何なんだこの味の解像度の違いは。
音楽で言うなら、アーティストはなるべく良い音を届けようとスタジオで音作りに励む、それをCDやネット配信で配る、それを何で聴く?ということだ。 映像でも同じで、観たい映像が素晴らしいHD画質で手元に届いた後、何で観る?
そういう事だ。
100円ショップのヘッドホンで聴くのか? YouTubeでフルHD画質があるのに、わざわざ粒子の粗い低い解像度で観るのか?
違う。
高いヘッドホンが欲しくならないか。 美しいフルHD画質で見たくならないか。 だのに、ビールは缶に直接口をつけて飲む、それで良いのか。
作り手が込めた想いを、最大限に引き出すためのインターフェイスは何だ?
それがグラスだ。
オレはグラスに大きな違いがあることを知ってしまった。 飲み比べなければわからない事を知ってしまった。
残念でならない。
今まで何を飲んでいたのか。 ほんのちょっとの違いだけれど、その違いに思いを馳せぬまま、ただ漫然と口に入れていた。
もっとワンランク上の味を楽しむことができたのに、それを知らぬままこの歳になってしまったことが、残念でならない。
気付いてしまった以上は、今までただ浴びるように飲んできたビールへの反省と弔いの想いを込めて、この少しの違いを身体に覚え込ませていくことにしたい。
このセミナーでは、3種類のグラスと、プラスチックカップ、それらがヤッホーの3種類のビールをどう表現するのか、それを実体験する。
今回は販売開始前のグラスを1つと、既に販売中のグラス2つの組み合わせで、ヤッホーのビールを飲み比べてみる。
まず1つ目。 これが新製品。 ふっくらとしたシルエットで香りがより深く広がる、アメリカン・ウィート・ビール/ヴィットビアだ。
2つ目はIPA(インディア・ペール・エール)。 ストレートなシルエットで、喉にスッと落ち込んできた後に香りが後を追ってやってくる。 個人的には、これが一番飲みやすかったかな。 グラス下部が波打っていて、飲んでいるときに泡を保って香りを引き出してくれるそうだ。
3つ目はスタウト。 黒ビールの強い風味をマイルドにしてくれる。 黒ビールを飲む機会が少ないので、これを試せるのは興味津々。
会場で配られたビール・チューリップを並べてみよう。 シルエットにはこんな違いがある。 どれも特徴的。
では、まずヤッホーのIPA、インドの青鬼を注いでみる。 使うのはIPAとプラスチックカップ。
ほら! 同時に注いだのに、グラスに残る泡でさえも明らかな違いがある。 そして、飲んでみると同じビールなのにそのあまりの違いにビックリしてしまう。
鼻腔に広がる香り、喉越し、その全てがまるで違う飲み物のように、喉を滑り落ちていく。 プラカップは口にしつこく残る感じがあって苦みも強く感じるけれど、IPAでは喉の奥にスルッとビールが流れ落ちて、鼻にふくよかな香りが一杯に広がっていく。
何じゃこりゃ!!!!
味は同じはずなんだけど、苦みや香り、喉越しというビール本来の魅力が、異次元のレベルで高いのだ。
ほら、オレの喜びようを見て、鬼も笑っているよ。
IPAを水ですすいで、お次は黒ビールをスタウトと飲み比べる。
黒ビールの強い個性のある香りと味が、IPAに比べてスタウトではよりマイルドになる。 プラカップ程の歴然とした違いは感じられないけど、神妙な面持ちで分かった風に飲み比べているうちに、グラスによって違う個性の輪郭がハッキリと伝わってくる。
飲み比べなければ、これは絶対に分からない自信がある。
だけど飲み比べちゃったからなー いけないこと知っちゃったなぁ(笑
さぁ、最後にエールビールの出番。
ぶっちゃけ、1のヴィットビアと2のIPAは好みの違いになると思うけど、ヴィットビアの方が舌の奥に長く留まって香りが強く広がって、IPAはもっとストレートに喉に飛び込んでくる感じ。
黒ビールを飲むときは苦みが目立ってしまうけど、IPAが普段使いには便利な一杯だというのが、今回のオレ流の結論だ。
ちなみに、ビール・チューリップは香りが最も際立っていたね。
しばらくは、玄人顔して家でビール・チューリップをくゆらすとするけど、IPA欲しいなぁ。 オンラインストアのクーポンももらったし、買っちゃおうかなぁ(笑
それにしても、本当に良い勉強になりました!
ありがとう、シュピゲラウの庄司さん!
コメント