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食べるという作業だけに専念するラーメンは残念至極(一蘭@横浜西口)

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一蘭というラーメン屋が旨そうだったので仕事帰りに立ち寄ってみたんだけど、味はともかく雰囲気が全く肌に合わない残念な店だった。

どこぞの床屋のような効率だけを重視した店。

もちろん「味が良ければ万事良し」とか「なるべく人と接したくない」なんて人には良いのかもしれないけれども、食事って作業じゃ無いじゃん? 店の雰囲気を楽しみつつ、心地良い時間を美味しい料理で過ごすための時間だと思うのよ。

でも、この店は残念ながらそうじゃない。

 

まず、階段に張られたテープに沿って、列に並んで待たされる。 階段を登り切るとL字型の細長い廊下で待つことになるんだが、券売機は列の前の方なのに、すぐに買いに行かされるのは何故なんだ。 列が券売機の前にきた時で良いじゃないかとも思うが、とにかく買えと。 天然豚骨がどうのとウンチクが壁に貼ってあるけど、天然じゃない豚骨って何なんだよ、人工豚骨でもあんのか。

 

で、高い。 豚骨ラーメンなのに驚くほど高い。

ラーメン790円、替玉160円、合わせて950円ってなんだそりゃ? 博多天神を見習え!と叫びたくなる価格設定。

 

出張帰りの膨らんだカバンを手に並んでいると、もっと詰めろ、もっと詰めろと言われるので、荷物を座らせて自分が立って待つ。

すると程なくして好みを紙に書かされる。 味の濃さ、油の量、麺の硬さ、辛子の量、チャーシューの有無などなど。

こういう好みをカウンター越しにやり取りするのが、ラーメン屋の醍醐味じゃないか。

 

廊下の角を曲がると、壁に座席表示のランプが埋め込まれている。 席を立てば「空」という青いランプが灯り、席に着くと緑色、時間が経つにつれて黄色、赤色、赤点滅と変わっていく。 食事をしているんじゃなくて、食べるという作業をしている作業員(客)を管理しているシステムだね。

 

仲間と一緒でも、席はバラバラ。 「空」を目指して座るのみ。

 

暖簾をくぐると細長いカウンターが並んで、ほとんど会話も無くラーメンをすする音だけが響いている。

自分の座る席はこんな感じで、出走前のゲートに入った競馬みたいだ。 大柄なオレは肩幅的にいっぱいいっぱいで、圧迫感たるや半端ない。

座るとロボットのような抑揚の無い声で、マニュアル通りの棒読みの挨拶が迎えてくれる。 店員の腹のあたりと手しか見えないから、果たしてオレに話しかけているのか、もしや隣に話しかけているんじゃないのかと不安になってきてしまう。

麺は超固めで頼んだのにえらく待たされるし、豚骨ラーメンってなファーストフードだろが!と思うのだがいかがなものか。

しばらく待たされた後、手しか見えない店員がラーメンを出したら、サッとスダレが閉じられてしまった。

なんか感じ悪い。

こってりで頼んだので、非常に濃厚。 ほのかに甘みを感じる臭みの無いスープは、バリカタの麺にしっかりと絡んで確かに旨い。 熱々のラーメンを額に汗しながら食べていると、背中にあたるエアコンが心地良い寒さだ。

 

スープもしっかり味わって、食べ終わって口を拭こうとあたりを見渡しても紙ナプキンが無い。

おや?

よくよく探してみると、口を拭うティッシュは背面にある。 それも立たないと手が届かない高さに。

口拭く時は帰る時ってことね。

 

メニューはラーメンに絞って、客との接点を極力減らして、会話も無くして食べるという行為を単なる作業にして、とことん効率重視。

うーん、ここまでやるなら客をベルトコンベアにでも乗せてしまえば良いのに。

 

独りぼっちばっかりならわかるけど、家族でこんな店に来る人の気が知れないや。 我が家じゃ有り得ないし、独りの時だってもう二度と行かない。

 

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