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【書評】中国動漫新人類

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中国は外に堅く門を閉ざすが、一歩内に入れば
それまでとは全く異なる世界が見える国だ。
筆者は1941年に中国で生まれ、幼少期を過ごし、
その中国への想いを常に抱きながら、両国の架け橋
としての人生を送ってきた、中国の近代史を体験し、
その後も強い関わりを持って生きてきた日本人。


アニメや漫画とタイトルに入ってはいるものの、
奥深く、幅広く、何よりも中立的に検証している。
目次を見るだけでも、それが伝わるだろう。
 第1章 中国動漫新人類―日本のアニメ・
     漫画が中国の若者を変えた!
 第2章 海賊版がもたらした中国の
     日本動漫ブームと動漫文化
 第3章 中国政府が動漫事業に乗り出すとき
 第4章 中国の識者たちは、「動漫ブーム」を
     どう見ているのか
 第5章 ダブルスタンダード―
     反日と日本動漫の感情のはざまで
 第6章 愛国主義教育が反日に変わるまで
 第7章 中国動漫新人類はどこに行くのか
前半は日本アニメや漫画が浸透した背景について、
幅広い人々へのインタビューやアンケートを重ね、
海賊版の存在や、作品の思想性について語られる。
これ程までに、中国人民の内側に入り込める人は、
日本では著者以外には珍しいのではないだろうか。
そして、広がりつつある大きなうねりを感じ取り、
普段私たちが伝え聞く中国人民の姿とは違った、
生の中国人民の姿を、驚くほど豊富に集めている。
後半の6,7章は我々日本人にも耳が痛い話だが、
とにかくマスコミや一部のネットで語られるような
偏った見方ではなく、中国を熟知する日本人として
世界の中で中国の置かれた立ち位置を分析しており、
今の中国を知り、これからの中国の姿を想像できる、
そんな中身の濃い一冊だ。
1日で読み切るにはボリュームあったな。
でね、写真の赤い部分は全部オビなんだよ(笑

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